理学療法士や作業療法、言語聴覚士の職場は病院が当たり前!そんな時代は終わりました。
訪問看護ステーションや訪問リハビリステーションに転職するセラピストは多くなっています。
今転職に悩んでいるセラピストの皆さんも転職先の一つとして訪問看護や訪問リハビリを考えている方は多いんじゃないでしょうか?
十数年病院で働き、その後訪問看護ステーションへ転職した私が思う、訪問看護ステーションに転職して「しんどかったこと」「大変だったこと」を紹介します。
因みに私は、病院のリハ、訪問看護のリハ、訪問リハ、通所リハ、デイサービスのリハ、老健などの施設でのリハの経験があります。
一応一通り経験しているので転職に迷っている人の参考になればと思います。
Contents
訪問リハビリ仕事はこんな仕事

訪問リハビリは訪問看護ステーションや訪問リハビリステーションにより行われます。
どちらも医師の指示の下、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士(以下セラピスト)が利用者宅に訪問しリハビリを提供するわけですが、訪問看護ステーションにおけるセラピストの役割は、看護の一環としてリハビリを提供するということになります。
訪問看護ステーションは看護師が在籍している分、利用者は比較的重症の方が多いです。
訪問リハビリでは病院と同じでカンファレンスや計画書等の書類作成も行います。新規利用者を得るために、ケアプランセンターや病院へ営業に行くこともあります。
移動方法は事業所によって異なります。私は車で移動していますが、原付バイクを使っているところもありますし、自転車を使っているところもあります。
訪問リハビリの仕事のしんどいところ。大変なところ。
移動のストレス

車や原付自動車で移動するパターンが多いので、運転が苦手な人にとってはストレスがかかります。常時運転していると交通事故をおこすこともあるでしょう。
また、道路が渋滞したりすることで、次の利用者の介入時間が遅れることもあります。その場合は利用者さんに時間が遅れるということを連絡するわけですが、利用者さんの中には遅刻だと怒る人もいます。
緊急対応への不安
病院で働いていると周りに他のセラピストがいますし、病棟には医師や看護師がいます。何か問題が起これば、それらの人に連絡し直ぐに対処してもらうことができます。
訪問リハビリだとそうはいきません。
リハビリ中、利用者が意識を失ったら?発作をおこしたら?
訪問リハビリにある程度慣れれば、このようなことが起きても冷静に対処できますが、不慣れな時期は本当に怖いし不安です。
ブラックボックスであるが故のトラブル

訪問リハビリはブラックボックスです。
利用者とセラピストが1対1で関わっているが多く、他のセラピストや利用者と離れて住んでいる家族からは、中で何が起こっているかわかりません。
このような閉鎖的な空間で仕事をしていると色々なトラブルに巻き込まれることもあります。
1つ例を挙げると、
あるセラピストが、利用者宅へ訪問しました。その利用者は息子夫婦と同居しており、日中は1人で過ごしています。少し認知機能が低下していますが、身の回りのことはある程度自分でできている人でした。
ある日の昼頃、セラピストが訪問すると、その利用者が転倒していたんです。セラピストはその利用者をすぐにベッドに戻し、状態をチェック。特に問題ないと判断し、そのままリハビリを行いました。
夕方、利用者の家族から電話がありました。内容は利用者の足に打撲痕があったとのこと。
家族が利用者に何があったのか聞くと「リハビリ中にこけた」と言っている。
「どういうことだ!!」というものでした。
このセラピストは利用者が転倒してたことを発見したのに、それを利用者の家族にもケアマネにも報告していなかったんです。
こうなると、正直何が事実なのかわからなくなります。
会社としてはセラピストの言っていることを信じたいものですが、証拠となるものがありません。
結局この件は、会社側が何度も謝罪するということで幕を閉じました。
こんな感じのトラブルがおきるので、自分の想像が及ばないところでトラブルが起こったりするストレスがあります。
営業に行かなければならない
これはもしかしたら、営業に行かなくてもいい事業所もあるのかもしれませんが、私の知っている訪問看護ステーションや訪問リハビリステーションではもれなく一般職員も営業に行っています。
病院でセラピストが営業に行くことなんてありませんから、訪問リハビリを行う事業所に転職すると、これが一つの大きな壁になります。
人と話すことが得意な人からすれば何ともないことですが、人と話すことが苦手な人にとっては地獄です。
実際、営業を嫌う職員はたくさんいます。
訪問看護ステーションや訪問リハビリステーションに転職するメリット

訪問リハビリで働くのは「しんどい」「大変」ばかりではありません。
良いこともたくさんあります。
まず、給料です。基本的なセラピストの年収は病院よりも、訪看・訪リハの方が高く設定されていることが多いです。私の勤めている地域では、だいたい年収で100万円位の差があります。
また、歩合がつくことろも多くあるので、新人セラピストで年収400万円超え、それなりの一般職セラピストで年収500万円超えは容易に達成できます。
これは大きなメリットです。
後は、私が訪問看護ステーションへ転職した理由の1つでもあるのですが、訪問看護であれば、最後の時まで利用者と関われるといったこともあります。
病院のリハビリは残念ながら期限があります。受傷してからある程度の日数が経つとリハビリができなくなります。私はそれが嫌でした。
良くなってリハビリを卒業するのであればいいのですが、期限が切れ自分の所ではリハビリができないので、介護分野にお願いするというのが、なんともセラピストとして情けなく不甲斐ないと思っていました。
訪問看護で働いていると、利用者が亡くなる直前までサポートすることは可能です。
これも、セラピストとして満足できるという点ではメリットでしょう。