訪問看護の話

訪問看護における医療保険での算定について。医療保険での介入はルールが多い。

こんにちは!みのりです。

 

訪問看護は介護保険や医療保険で算定します。基本的に介護保険を持っている人に対しては介護保険が優先されます。

医療保険で介入する場合はいろいろとルールがあるので、今回はこれを説明したいと思います。

 

訪問看護基本療養費の算定について

訪問看護基本療養費を算定するには、算定条件に該当し地方厚生局長に届け出ることが必要です。

また、訪問看護療養を算定するには、主治医から訪問看護指示書や訪問看護計画書をもらわないといけません。

指示書の有効期限は最大6ヶ月で、その間は利用者1人につき週3回を限度として訪問することができます。

 

ただ、別表7、8に掲げる利用者においては週4日の訪問が可能です。

別表7、8については訪問看護ステーションで働くんなら、別表7・別表8くらい知っておかないといけない件をご覧ください。

 

訪問看護療養費はこんな感じです。

(Ⅰ)患者宅個別 (Ⅱ)同一建物
同一日に2人 同一日に3人以上
保健師、助産師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士による場合 週3日まで 5550円 5550円 2730円
週4日まで 6550円

セラピストは
5550円

6550円

セラピストは
5550円

3280円
准看護師による場合 週3日まで 5050円 5050円 2530円
週4日まで 6050円 6050円 3030円
訪問看護療養費(Ⅲ)(外泊中の訪問) 入院中1回につき(別表7、8に揚げる利用者の場合は2回)8500円

追記:2020年の診療報酬改定により4日以降に理学療法士等が介入した場合の1000円UPがなくなりました。詳細は【速報】訪問看護で4日目以降のリハ介入の減収がほぼ決定するに書いています。

 

注目したいところは同一建物で2人の利用者であれば減算はありませんが、3人目からは減算となります。

その為、施設に訪問して複数の利用者さんの介入を行う際は、1人のスタッフが3名以上の利用者に介入しないように調整する必要があります。介入する曜日を変えるなどの工夫も必要でしょう。

悪性腫瘍の利用者に対する緩和ケア、褥瘡ケアまたは人工肛門ケアおよび人工膀胱ケアにかかる専門の研修を受けた看護師による訪問看護について

12850円とかなり高額な算定ができます。

算定する条件はこれです。

悪性腫瘍の鎮痛治療もしくは化学療法を行っている利用者または真皮を超える褥瘡の状態にある利用者、人工肛門・人工膀胱を造設している者で管理が困難な利用者に対して、主治医から交付された訪問看護指示書や訪問看護計画書に基づき、それらの研修を受けた看護師が、他の訪問看護ステーションの看護師や准看護師または利用者の在宅療養を担う保健医療機関の看護師もしくは准看護師と共同して指定訪問看護を行った場合に月1回を限度として算定できます。

算定できるのは、研修を受けている看護師が所属する訪問看護ステーションです。

ちなみに、同一日に訪問看護療養費は算定できないんです。

 

算定するには届出が必要で、専門の研修を受けた看護師と他の訪問看護ステーションの看護師もしくは准看護師が一緒に訪問することが必要です。

 

ここでいう研修というのは

 

緩和ケアにかかる専門の研修

(1)国および医療関係団体などが主催する研修であること

(2)緩和ケアのための専門的な知識・技術を有する看護師の養成を目的とした研修であること

(3)講習および演習により、次の内容を含むものであること

①ホスピスケア・疼痛緩和ケア総論および制度などの概要

②悪性腫瘍または後天性免疫不全症候群のプロセスとその治療

③悪性腫瘍または後天性免疫不全症候群患者の心理過程

④緩和ケアのためのアセスメントならびに症状緩和のための支援方法

⑤セルフケアへの支援および家族支援の方法

⑥ホスピスおよび疼痛緩和のための組織的取組とチームアプローチ

⑦ホスピスケア・疼痛緩和ケアにおけるリーダーシップとストレスマネジメント

⑧コンサルテーションの方法

⑨ケアの質を保つためのデータ収集・分析等について

⑩実習により、事例に基づくアセスメントとホスピスケア・緩和ケアの実践

褥瘡ケアにかかる専門の研修

(1)国および医療関係団体等が主催する研修であって、必要な褥瘡などの創傷ケア知識・技術が習得できる600時間以上の研修期間で、修了証が交付されるもの

(2)講義および演習等により、褥瘡予防管理のためのリスクアセスメントならびにケアに関する知識・技術の習得、コンサルテーション方法、質保証の方法などを具体的に基づいて実施する研修

人工肛門ケアおよび人工膀胱ケアにかかる専門の研修

(1)国および医療関係団体が主催する研修であって、必要な人工肛門および人工膀胱ケアに関する知識・技術が習得できる600時間以上の研修期間で、修了証が交付されるもの

(2)講義および演習等により、人工肛門および人工膀胱管理のための皮膚障害に関するアセスメントならびにケアに関する知識・技術の習得、コンサルテーション方法、質保証の方法などを具体的に基づいて実施する研修

 

医療保険と介護保険の関係について

介護保険を持っていれば基本医療保険で算定することはできません。

ただし例外があります。

その条件は

  1. 主治医から特別訪問看護指示書が交付された場合
  2. 別表7に掲げる利用者(訪問看護ステーションで働くんなら、別表7・別表8くらい知っておかないといけない件)に訪問看護を提供する場合
  3. 精神科訪問看護療養費が算定される訪問看護を提供する場合

 

さいごに

訪問看護で医療保険の介入となる場合はルールがたくさんあるので要注意です。

知らずに介入しているとすぐに返戻になってしまいます。

今回書いた記事はかなり基本的な部分なので、訪問看護ステーションに関わっている人は確実に理解しておく必要があります。

 

また、こういった制度的なことは改定のたびに少しづつ変わっていくので、しっかりと目を光らせておかなければなりません。

 

ここで、私が訪問看護の診療報酬を勉強する時に使っている書籍を紹介します。

この2冊があれば、大抵のことが解決します。

こちらの記事もおすすめ!

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です