雑記

知っておきたい地域包括ケアシステム

医療や介護の現場で働いていると「地域包括ケアシステム」という言葉をよく聞くようになりました。しかし、この「地域包括ケアシステム」を正しく理解できている人はどのくらいいるのでしょうか?

 

知っておきたい地域包括ケアシステムの概要

地域包括ケアシステムとは、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるように高齢者の住まい、医療・看護、介護・リハビリテーション、保健・福祉、介護予防・生活支援を一体的に提供するための体制(システム)のことをいいます。

一般的には中学校区単位で日常生活圏域をケア付きコミュニティへと発展させることが目的です。

地域包括システムは日本だけでなく北欧やオーストラリア、オランダなども構築が進められています。

 

出典:地域包括システム(厚生労働省)

 

自助・相互・共助・公助

地域包括ケアシステムの根本的な考えとして補完性の原理が重要されています。そして、4つの「助」の力を連携させてさまざまな生活課題を解決されていくことが求められます。

補完性の原理

補完性原理(ほかんせいげんり)とは、決定や自治などをできるかぎり小さい単位でおこない、できないことのみをより大きな単位の団体で補完していくという概念。補完性原則、あるいは英語から、サブシディアリティ(Subsidiarity)ともいう。

出典:Wikipedia

 

自助

自助とは自分で自分を助けることです。何も難しいことをいっているものではありません。

たとえ要介護や要支援になったとしても専門職の支援を受けながら自分でできるとこは自分でできるように工夫していけばいいのです。

例えば、奥さんに先立たれた旦那さんが家事能力を身に着けるということも自己能力の育成です。奥さんが亡くなってしまったからといって、安易に介護事業者のサービスにすべてを任すということでなく、できる家事は自分でするのです。

食事を例に挙げると、自分で食事を作るだけでなくスーパーへ弁当やお惣菜を買いに行くということも自助にあたります。

 

互助

家族の助け合い、近隣の助け合い、友人の助け合いなどがこれにあたります。

言葉としては共助と意味がかぶりそうなものですが、費用負担が制度的に裏付けられていない自発的な支え合いを互助といいます。

例えばゴミ出しの手伝いでもいいですし、代わりに買い物に行ってあげるというのもいいでしょう。高齢者の独居の隣人を気にして時々様子を見に行ってあげるというものもこれにあたります。

自助だけでは限界がありますので、やはり互助は重要です。

 

共助

制度化された相互扶助のことをいいます。医療、年金、介護保険、社会保険制度など被保険者による相互の負担で成り立ちます。

共助には強力な義務と権利が伴います。そこが互助との大きな違いです。

 

公助

貧困問題、虐待問題などがこれにあたります。これらの問題では共助では対応することができません。

自助や互助、共助では対応できず、最終的に必要な生活保障を行う社会福祉制度が公助にあたります。

 

 

 

地域包括ケアシステムの構成要素は植木鉢

                              出典:地域包括ケア研究会

 

まず「本人・家族の選択と心構え」に相当する皿が示されています。さらに上には「すまいとすまい方」を象徴する植木鉢がのっています。

植木鉢の中には「生活と福祉」を示す土が入っています。

土の上には医療・看護、介護・リハビリ、保険・予防の3つの草が描かれています。

これらの葉を大きくしていくには豊かな土、大きな鉢、それを収める大きな皿が必要なのです。

 

1人ひとりの利用者のためにはケアマネージャーがケアマネジメントプロセスの土台に立っています。仕組み全体に対しては地域包括支援センターが目を配り地域ケア会議が水をやってます。

 

これが地域包括ケアシステムのコンセプトです。

 

さいごに

地域包括ケアシステムはプロのサービス提供だけではどうにもなりません。地域が一体となって高齢者のサポートをしていく必要があります。

病院主体の医療から地域主体の医療へと移行する時代がとうとう来たのです。

今後、訪問看護の需要も必然的に増えていくでしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

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