こんにちは!みのりです。
訪問看護の利用者で多い疾患の1つに糖尿病があります。
糖尿病が疑われる成人の推計が2016年に1,000万人に上ったことが、厚生労働省が実施した「2016年国民健康・栄養調査」で分かった。前回(2012年)調査より50万人増え、調査を開始してから最多となった。
出典:厚生労働省、2016年国民健康・栄養調査
糖尿病患者は2016年の調査でこの数なので、現在はもっと増加しているでしょう。
実際、私の担当している利用者の3割くらいは糖尿病の治療をされています。
私達理学療法士はリハビリの養成校で糖尿病に対してのリハビリテーションを勉強します。
そこでは、入院中に医師や栄養士から、患者にしっかりと「糖尿病に対しての注意点や生活指導」について教育すると習ったはずです。
しかし、実際に退院した患者は糖尿病についての知識に乏しいということも多々あります。
こういうとき、訪問看護のリハビリに携わっている理学療法士に何ができるのでしょうか?
というわけで。
今回は、訪問看護のリハビリにおいて、糖尿病(2型糖尿病)の知識に乏しい利用者に対して理学療法士が何に気を付けなければいけないかということについて書いていきます。。
Contents
利用者が医師や栄養士からどの程度糖尿病に対して指導を受けているのか確認する
糖尿病に対して指導されているけど、利用者が忘れているパターンがあります。
1日にどのくらいのカロリー摂取にすればいいのか?
どの食べ物を控えた方がいいのか?
運動はどんなことをしたらいいのか?
こういったことを入院当初に教えてもらったけど、正確に覚えていないということがあるんですね。
こういう場合は、私たちのわかる範囲でアドバイスしますが、1日のカロリー摂取をどのくらいにすればいいのか?どの食べ物を控えたらいいのか?という部分は、合併症の有無や治療方針によって大きく変わるので医師に確認するしかありません。
利用者に確認してもらいましょう。
血液データや心電図などの所見は必ず確認する
運動の強度をどの程度にするのか決定するのにこれらの所見はとても重要です。
血液データーや心電図の所見で内蔵の状態や糖尿病の合併症の1つである末梢神経障害の自律神経の状態が推測できます。
CVR-Rでは自律神経障害がおこっているのかどうかということが推測できますし、AST・ALTでは脂肪肝かどうかということもわかります。
血液中のインスリンの数値でインスリン抵抗性の度合いも確認できます。
また、血糖値のコントロールを目的に介入する場合にも必要になってきます。
血糖値やHbA1cの数値はどうかということですね。
利用者の糖尿病の治療方針やリスクを把握したうえで運動強度を調節していく
糖尿病だから、有酸素運動とレジスタンストレーニングをすればいいという安易な判断をして訓練をしていると、利用者が低血糖発作を起こしてしまうということあります。
糖尿病患者によって高強度の運動負荷はリスクが高いのです。
ただ、高強度の訓練は効果も高く効率的に訓練が行えるので、リスク管理をした上でなるべく高い強度の訓練をしたいものです。
リスク管理の為の情報収集が重要です。
さいごに
学生の時は、あれほど気にしていた血液データや心電図、レントゲンの所見は、理学療法士の業務に慣れてくると疎かにしがちです。
それらのデータや所見を確認しなくても何となくのリハビリはできるのですが、これはとても危険な行為です。
万が一利用者が倒れた場合、あなたの責任になりかねません。
訴訟問題になるかもしれません。
糖尿病(2型糖尿病)の知識に乏しい利用者に対してリハビリを勧めていく中で最も重要なことは情報収集です。
これが疎かになっている人は、もう一度初心に戻って、それらの所見から情報収集しないといけませんね。