こんにちは!みのりです。
近年、訪問看護ステーションで働く療法士が増えてきています。療法士にとって病院よりも給料が高い訪問看護ステーションはとても魅力的です。
私は10数年病院で急性期・回復期・慢性期と経験し、5年ほど訪問看護のリハビリを経験しています。
そんな私から、訪問看護のリハビリの経験が少ないといった方達に向けて、リスク管理についていくつかお話をしようと思います。
今回は微熱についてです。
高熱ではなく微熱というところがミソです。
本記事の内容
在宅のリハビリで利用者が微熱だった場合に確認すべきこと
微熱の利用者にリハビリをする場合の対処法
本記事では、これらについて解説していきます。
Contents
訪問看護のリハビリでは体温測定は必ず行う
病院で働いていると、療法士が体温を測ることは、ほとんどないんじゃないでしょうか。
私は全くありませんでした。
しかし、訪問看護で体温測定は必須です。
病院だったら、部屋持ちの看護師さんに助言をもらってリハビリを施行していたでしょう。
訪問看護は体温測定の結果が悪かった場合、その場で療法士がどうするのか決定するんです。
体温ってなに?
体温というのは「動脈血の温度」です。その為、腋窩で測定する場合は外気の影響を受けないよう、しっかりと脇を閉じないといけません。
そして、腋窩動脈にしっかりとあてるよう体温計を前下方から後上方へ挿入します。
測定するもの全般に言えることですがは、正しい方法で行わなければ意味がありませんね。
測定結果の信憑性や再現性にムラがあると日々の比較なんてできませんから。
訪問したとき利用者が微熱だったらどうする?
よくあるパターンとして、
高齢者の利用者で、普段の体温は36℃程度。訪問したときに体温測定をすると37.5℃でした。
様子はいつもと変わりはなく、本人も「いつもと同じです。リハビリはいつもどおりできます」といわれます。
こういった場合、みなさんはどうしますか?
リハビリはやめときますか?
訓練内容を負荷のかからないものに変えてリハビリを施行しますか?
それとも、いつもと同じように訓練を施行しますか?
こういった場合、いくつか確認しながらリハビリを行うのが良いでしょう。ただ、低負荷でリハビリをすれば良いというものではありません。
では、それらのことについて詳しく説明していきます。
測定結果で微熱があるとわかった場合に確認したほうがいいこと
・測定結果が正しいか確認
測定方法が間違ってないか確認しましょう。脇はしっかりと閉まっているのか?体温計はしっかりと挿入できているか?
・測定前後の行動状況を確認
訪問看護の直前に入浴や食事をしていないか?案外多いのが、訪問看護のスタッフが来る直前まで喧嘩していたという場合です。興奮している場合でも結果が違ったりします。
・他のバイタルも確認
0.5℃の体温上昇で脈拍数が増えるそうです。それだけでなく動悸や呼吸数が増加したりするのでそれも確認しましょう。
・利用者の自覚症状を鵜呑みにせず、他にいつもと違う症状はないか確認
尿量が減ってないか?口喝や下痢の症状はないか?といった症状がないか聞きます。
微熱は風邪だけでなく脱水や誤嚥、感染症でも起こるのでそういった症状の有無を確認しましょう。
・室温の確認
高齢者はクーラーを嫌う人が多いので室温が上昇していることも多々あります。室温が高いから体温が上昇しているということも十分考えられます。
微熱があるとわかった時の療法士の対応
・訓練の途中で動作や反応がいつもと違った場合は訓練内容の変更や中止を検討しましょう。
これは皆さん言われなくてもするでしょうね。療法士の基本です。
・訓練途中や終了時に再度測定しましょう。
利用者さんに「いつもより体温が高いので、念のために、また後で測りましょう。」などと事前に説明しておくと良いでしょう。
・転倒に注意しましょう。
高齢者の場合は特に、動作訓練時に下肢の脱力や膝折れが起きたりします。やや、介助は多めでもいいかもしれません。
・家族に報告しましょう。
これは微熱があるということだけでなく、いつもと異なる状態を発見したら随時報告しましょう。
今後、更に体温が上昇するかもしれないので、家族にその後の様子も気にしてもらわないといけません。時間をおいての体温測定も家族にしてもらいましょう。
・訪問後に電話で状況を確認しましょう。
これは、結構できていない人も多いんじゃないでしょうか。もしかしたら訪問後に高熱になっているかもしれません。そうなれば、どう対処していいかわからない家族もいます。できれば、当日中に確認してアドバイスしてあげてください。
・利用者のストレスにならないように注意しましょう。
微熱があるとわかっただけでパニックになる利用者さんもいます。測定結果がいつもと異なった時、そのまま本人に伝えるのか、こっそり家族に伝えるのがいいのか、利用者さんのキャラクターに合わせて使い分けましょう。
・室温をいい感じに保ちましょう。
室温が高すぎるという環境を利用者さんと一緒に変えましょう。クーラーをつけたり換気をしたりということを勝手に療法士がしてしまうと、利用者が元に戻してしまうこともあるので、一緒にしましょう。
さいごに
こういった対応を怠ると、病気の初期症状を見逃して肺炎を起こして重症化したり、週末にかかってしまい受診ができなかったりします。
体温が上昇していることを家族がもっと早く把握できていれば、軽くすんだのに!となることもあります。
微熱は危ないものではないですが、続くようでしたらやはり受診を進めましょう。ただの風邪じゃないかもしれません。
こんな感じで、
訪問看護のリハビリでは体温が高いから「訓練をこうしよう」「やめとこう」ということだけでなく、家族にしっかりと報告し、現状を説明しなければなりません。
また、その後の状態も把握してアドバイスをすることも大切です。
どうアドバイスをしていいかわからないという療法士さん。心配ありません。
訪問看護ステーションには看護師さんがいます。相談しましょう。
療法士と看護師の連携は訪問看護ステーションの強みになります。
因みに、この訪問看護経験の少ない療法士に向けての記事はいくつか書こうと思っています。
第2弾は【訪問看護】リハビリで体温測定したら低体温だった場合に考えることです。
興味のある方は是非読んでください。
[…] 第1弾は微熱について書きました。興味のある方は検索もしくは上下矢印キーを使って項目を選択してください。 訪問看護の…を読んでください。 […]
[…] […]
[…] […]