こんにちは!みのりです。
新人療法士向け第9弾です。第8弾は訪問看護のリハビリで利用者が転倒していた。どうする?新人療法士向けでした。興味のある方は是非読んでください。
利用者さんが腹痛を訴えていることはよくあります。
お腹が痛くなることなんて日常的によくあることですからね。
腹痛はセラピストにとってアプローチ対象になることはほとんどないですし、腹痛の訴えを聞いてもできることは少ないです。
しかし、訪問看護のリハビリで携わっている以上、腹痛に対してノータッチとはいきません。
訪問看護のリハビリは看護の一環としてリハビリサービスを提供しているので看護的な目線も必要です。また、腹痛の中には緊急を要するものもあります。
腹痛を伴う疾患としては、胃腸炎、便秘、イレウス、腹部大動脈瘤、尿管結石、虫垂炎などがあります。腹部大動脈瘤は破裂するとショック状態になりますし、尿路結石は激痛がおこります。そういった特徴を知っておかなければなりません。
今回は利用者が腹痛を訴えていた場合、何を考え、何を確認しなければならないのか。
セラピストができることについて書いていきます。
Contents
利用者が腹痛を訴えた場合に確認したいこと
基本的に問診による情報収集がメインにはなりますが、他にもいろいろ確認できることはあります。
正しいバイタル測定
訪問看護の場合、利用者の状態がどうであれ必ずバイタル測定は行いますので、ここを確認しないということは無いでしょう。
バイタル独定した数値は、利用者さんが受診する際の情報にもなりますし、バイタルの具合で受診するかどうかを考える材料にもなります。測定した数値は必ず利用者さんに伝えましょう。
痛む場所の確認
腹痛といってもいろいろです。
どの箇所が痛いのか細かく確認しましょう。また、腹痛が起こりうるような持病のある方であれば、普段痛みがでる箇所と同じなのか、違いがあるのかということも確認しましょう。
単発的な痛みなのか、普段からよくある痛みなのか、確認するということです。
痛み以外の身体状況の確認
他の部位に影響がでているのか、又は他の部位の影響により腹痛が出ている(腹痛のように感じてしまっている)のかを確認します。
私の場合、「お腹がいたい」という訴えを聞き評価したところ、腸腰筋の痛みだったこともあります。
痛みが和らぐ肢位の確認
腹痛はすごくつらいので楽な姿勢をとらせて、少しでもリラックスしてもらいましょう。
腹痛に対してセラピストができること
腹痛に対してセラピストができることは非常に少ないですが、できることはあります。
それがこの3つです。
・普段から利用者の疾患が腹痛を起こすものかどうか確認しておく。
・痛みが治まらない場合は看護師や医師に報告し、受診の必要性を問う。
・受診まで安楽な姿勢をとらせる。
「まあ、大丈夫か」と腹痛を放っておくと、大事になるかもしれません。
例えば、大動脈瘤が破裂してしまっていたら・・・大出血を起こしてショック状態になるかもしれません。
虫垂炎かもしれないし腸閉塞かもしれません。
腹痛がいつもと違う痛みであれば、できるだけ多くの情報を収集し、リスクがあるようであれば受診を勧めましょう。
私が腹痛の対応をないがしろにして失敗した話
私が訪問看護ステーションに勤めて間もないころの話です。
リハビリ介入時に利用者さんから「2、3日前からお腹が痛くて気になります。これなんですか?」と聞かれたんです。
いろいろ問診で情報収集を試みましたが、特にこれといった情報もない・・・。
利用者さんもめちゃくちゃ痛いと言ってるわけではなくて、気になる程度という状態・・・。
それらを考慮して、私は利用者さんに「腹痛の原因は私にはよくわかりません。この症状が続いたりひどくなるようだったらかかりつけの病院に受診してください。」と伝えました。
これがよくなかったんです。口頭のやりとりだけで対応してしまったことで、利用者さんからは何もしてくれない人だと認識されてしまいました。
そこからその利用者さんとの関係は崩れ、担当変更するようになりました。
利用者さんが腹痛を訴えた時に、上記した内容を実践していれば、こうも関係が崩れることはなかったかもしれません。
さいごに
セラピストは四肢の疼痛に対しては敏感ですが、腹痛に対しては疎いと思います。
「お腹が痛いです」と利用者さんに言われても、リハ内容をマイルドにするくらいしか対応できない人が多いんじゃないでしょうか。
それは、訪問看護職員としてとても恥ずかしいことです。
いろんな可能性を考えて、利用者さんのフォローアップをしましょう。
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