リハビリの話

【新人セラピスト、学生向け】外来リハビリと在宅リハビリの違いについて

こんにちは!みのりです。

今日は、縁あってクリニックでリハビリです。
経験して思うのですが、外来リハと在宅のリハでは、リハビリの内容が若干変わってきます。

単純に、外来リハは自力で通院できる人が多いわけですから、そもそもの動作能力が高い傾向があるっていうこともあるんですけどね。

というわけで、今回は新人療法士さんや学生さんに向けて、外来リハと在宅リハの違いについて書いていきます。

リハビリの回数や期限に違いがある

まず、外来リハについてですが、維持期のリハビリができなくなっています。つまり、病気になってある程度期間が経ったら外来リハが受けにくくなります(抜け道は一応ある)。これは、患者さんが介護保険を使って通所リハビリや訪問リハビリのサービスを受けていた場合は確実にそうなります。

在宅のリハでは介護保険の場合1週間に120分が限度となります。つまり週3回40分や週2回60分といった感じです。医療であれば週3回の介入が基本的な原則となります。
ただ、在宅リハは期限がないので、医師が指示を出してくれている間は、ずっとリハビリができます。

リハビリを行う環境が違う

ここは外来リハと在宅リハで大きく違いが出るところです。

外来リハの環境

外来リハは当然病院やクリニックで行うので、リハビリをする道具が周りに沢山あります。平行棒なんか、在宅では置けませんからね。
また、リハビリを行うフロアは平面で広いので歩行訓練や大きく身体を動かす運動はやり易いです。
リハ中、患者さんの調子が悪くなったら医師や看護師が同じ建物にいるという安心感もあります。

在宅リハの環境

在宅リハでは、勿論リハビリの道具は少ないです。周りのものや、セラピストの手、自重を使った運動が主になります。実際の生活場面でのリハビリとなるので、動作の評価がやり易かったり、動作訓練の効果が高かったりします。起き上がり動作1つにしても、プラットホーム上や病室のベッド上で起き上がり訓練をするのと、実際の家のベッドで起き上がり動作訓練をするのでは、やっぱり違いが出てきますよね。ただ、家が狭いとリハビリは非常にし辛いです。そこを工夫するのがセラピストの力量なのですが。
在宅リハビリは、リハ中、利用者さんの調子が悪くなったらある程度自分1人で対応しなければなりません。でも、全部1人で対応するわけではないです。電話などで上司や看護師に相談しながら対応します。

患者さん、利用者さんの訴えが違う

外来リハでは、「〇〇が痛い!」「動けるけど、長くその動作をしていると〇〇に力が入らなくなる」といった訴えが多いんじゃないでしょうか。あとは、歩くときに膝がガクッとするとか、振り出しが分回しになってしまうとか。
動作はできるけど困るといった感じです。
私が働いているクリニックは整形外科のクリニックなので、痛みの訴えがほとんどです。

在宅リハでも、痛みの訴えは凄く多いのですが、「動作ができないからできるようにして欲しい」「動作の介助量を減らして欲しい」といった訴えが多いです。その為、利用者家族への介助指導をする機会がとても多いです。家族の介護で困っている話を聞き、解決策を提案するというスキルが重要になってきます。

外来リハは自動的に患者さんが来てくれる

外来リハはセラピストにとってホームです。医師が診察した流れで自動的に患者さんがやってきます。例え患者さんが担当のセラピストのことを嫌になっても、主治医や病室の雰囲気を気にいっていたら、また来てくれます。患者さんからすると外来リハはアウェイになるので、ある程度のことは我慢する傾向にあります。ただ担当セラピストを替えてほしいと言われることは全然あります。

在宅リハは利用者さんから切られる

在宅リハは文字通り利用者そんの家にセラピストが訪問します。セラピストからするとアウェイの空間です。利用者さんの家に上がるので、何かと礼儀作法なんかも見られていたりします。「玄関で靴を揃えない」「靴下が汚い」ということで拒否されたりします。
また、利用者さんが担当セラピストと合わない場合は、担当を替えるだけで済めばいいのですが、事業所を替えるという選択肢が出てきます。事業所を替えることは容易なんです。だって、在宅のリハにはお気に入りの主治医やお気に入りの空間がないのですから。他の事業所と新しく契約すればいいだけです。ある意味、セラピストの人間性が問われます。
在宅リハの場合一般的にケアマネが訪問看護や、訪問リハの事業所を探し、良さそうな所を選んでやっと依頼が来ます。

在宅リハでは営業も必要

外来リハは自動的に患者さんが来てくれます。
在宅リハでは多くのところが営業をしています。利用者さんという名のお客さんを自分から取りに行かないといけません。その為、この営業が嫌だから訪問看護や訪問リハを辞めるという人は少なくありません。「私はリハビリをするために資格をとったのに、営業なんかしたくない!」。
これは私も訪問看護ステーションに勤め始めた頃よく思っていました。
でも、仕方ないのです。
その分、給料は病院より高いでしょう。

最後に

リハビリは行う環境によって、求められることが違ってきます。私は長年の病院勤務から訪問看護に移ってきたので、在宅リハビリの仕事の幅広さに移動当初は混乱しました。営業や医師への指示書依頼やケアマネへの密な報告など、しんどいと思うことが沢山ありました。でも、在宅リハビリで働くことで自分の仕事のキャパは大きくなったと感じます。

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