こんにちは!みのりです。
訪問看護で療法士が担当する際に、1人で担当している間は利用者との関係が上手くいっているのに、他の療法士が介入した途端、上手くいかなくなる療法士って職場に居ませんか?
あなたは、そうなっていませんか?
私は現在、訪問看護ステーションで療法士を管理する立場にいます。
その中でこういった利用者からのクレームは結構あるんです。
そして特徴的なのは、クレームを受ける療法士はだいたい同じ人で、同じような内容のクレームを受けているということがあります。
では、なぜ、他の療法士が介入すると利用者に拒否されるようになってしまうのでしょうか?
この答えははっきりしています!
結論から言うと実力不足です。
他の療法士と比べられているのです。そして、拒否される療法士はダメな奴だと思われているのです。
ダメな奴だと思われる理由は、いろいろあります。今回はこのことについて書いていきます。
Contents
拒否される理由の具体例
私が今まで利用者から実際に聞いた拒否の理由を紹介します。(拒否される療法士をAさん、拒否されない療法士をBさんとします)
①Aさんはいつも同じ訓練ばかりする、Bさんはその時の状態にあった訓練をしてくれる。
②Aさんは相性が悪い、Aさんの日もBさんにかえてほしい。
③Aさんは雰囲気が暗い。Bさんは楽しくお話もできるから相性もいいしBさんだけ来てくれればいい。
④Bさんは訓練もしっかりやってくれるし、話もこちらの目をみて聞いてくれる。Aさんは話をしているときに記録を書きだすし、訓練もいい加減。
このような感じです。
どれも似たような理由です。
これらの4つの理由は担当者にも聞き取りをし分析したので紹介します。
①Aさんはいつも同じ訓練ばかりする、Bさんはその時の状態にあった訓練をしてくれる。
実際にAさんに同じ訓練を行っていたのか確認したところ、ストレッチをかける筋肉や、筋力訓練の負荷は変えていたそうです。
ただ、大まかな、
ストレッチ→筋力訓練→動作訓練という流れは変えていなかったそうです。
Bさんにも聞き取りをすると、ストレッチ→筋力訓練→動作訓練という流れはAさんと変わりありませんでした。もちろん、ストレッチの部位を変えたり筋力訓練の負荷を変えることもAさん同様行っていました。
Aさんと違うところは、動作訓練の部分です。
Aさんの動作訓練は起立動作の反復訓練、決まったコースの歩行訓練ばかり行っていました。
Bさんは、それらの訓練だけでなく、立位バランスを鍛えるようなアクティビティを施行したり、歩行訓練も障害物を置いたりコースを変えたりと変化をつけていたんです。
また、訓練内容を変える際は「この訓練をすることで、こういった所が鍛えられるので、今日はこの訓練をしましょう」といった感じで、訓練内容や目的の説明も欠かさなかったようです。
利用者にとって、どちらの療法士の訓練が満足できるのかは明確ですよね。
②Aさんは相性が悪い、Aさんの日もBさんにかえてほしい。
これは、Aさんが無口なことに原因がありました。
訓練中の利用者とのコミュニケーションがBさんに比べて圧倒的に少なかったのです。
もちろん、訓練内容や利用者の身体機能についての説明は行っていたようですが、雑談というか何気ない会話がほとんどなかったんですね。
利用者によっては、そのような会話が苦手な方もいると思います。
しかし、こういった何気ない会話がないと、「療法士がどんな人かわからない」「(療法士が)何を考えているかわからない」といった不安を利用者に与えてしまうケースもあります。
こうして、利用者の性格を見抜けず、淡々と訓練をこなしていたAさんは拒否されたのでした。
③Aさんは雰囲気が暗い。Bさんは楽しくお話もできるから相性もいいしBさんだけ来てくれればいい。
これは一見②にとても近いように見えるケースです。ただ②と違うところは、Aさんは訓練中、積極的に利用者さんと喋っているというところです。
Aさんに訓練中の状況を聞き取りしてみると、
Aさんは、もともと人見知りをするタイプなので積極的に自分のことを話して利用者との関係を築こうとしていたそうです。
聞き取りの中で少し見えてきたことは、このAさん、会話中に目を合わすことがほとんどないのです。
また、私が利用者にも話を聞いてみると、「自分のことばかり話して私(利用者)の話はあまり聞いていない」と言っていました。
Aさんは、コミュニケーションをとる際に目を合わさないというところで雰囲気が暗いと思われたのかもしれません。
そして、相手の話を聞かず自分の話ばかりするというというところで利用者との関係づくりに失敗したのでしょう。
④Bさんは訓練もしっかりやってくれるし、話もこちらの目をみて聞いてくれる。Aさんは話をしているときに記録を書きだすし、訓練もいい加減。
これは、もうボロクソですね 笑
このAさんは、とても真面目なスタッフです。あからさまに態度がわるいような人ではないです。
④の利用者は、脳血管疾患を患っており構音障害もみられていました。アプローチする部分がとても多い利用者だったんです。また、介護保険の点数の関係で訓練の時間を拡大することも困難でした。
Aさんは訓練を時間いっぱい組み込んでいました。少し多すぎんじゃないかというくらいに。
その為、記録しながら発語の訓練をするようになったようです。
これは、完全にAさんのマネジメント不足が問題でしょう。
訓練の項目が時間に合っていないのと、利用者に訓練の説明が十分できていないことが原因です。
例えば、「時間を効率よく使う為に、記録書きながらにはなりますが、発話の練習をしますね」とか利用者に予め言っておけばクレームにはなっていなかったかもしれません。
まあ、私はそんな事せず、訓練の項目を減らしますがね。
利用者に拒否されないようにするにはどうすればいいのか
AさんとBさんの違いは空気が読めるかどうかということにあると思います。
これは非常に重要で、利用者の求めていることを感じ取り、正確に提供できるというスキルが療法士には必要です。
これができないと利用者からの拒否に繋がります。
「雑談なんかも挟みながら楽しくリハビリしたい」
「私語なんかなくていい!ストイックに訓練してほしい」など
利用者がどのようなタイプの人なのか感じ取れないといけません。
感じ取るということは感覚的でとても難しいと思う人もいるかもしれません。
でもそんなことは無いんです。
あなたが、そういった空気を読むのが苦手なタイプなのであれば、利用者に直接聞けばいいだけのことです。
利用者の話をたくさん聞いていると分析できる材料が増えてくるので、利用者の求めていることがだんだん見えてくるのです。
さいごに
今回のAさん、Bさんは同じ人ではありません。
誰しもが、ケースによってはAさんになりえますし、Bさんにもなりえます。
もし、Aさんになってしまうことがあったのであれば、素直に「自分の何がいけなかったのか」振り返り、修正していくべきです。
これを繰り替えることによって、今後Aさんになる確率は下がっていきます。
という話でした。
[…] 他の療法士が介入した途端、利用者に拒否される療法士が改善すべきこと […]