リスク管理

血圧について掘り下げてみる

こんにちは!みのりです。

 

訪問看護のリハビリでリスク管理をするためにはバイタルチェックが欠かせない。

そんな、バイタルチェックの中でも、今回は血圧について真面目に書いてみました。

 

血圧って何?

血圧は心臓から送り出された血液が、血管壁にぶつかることでおこる圧のことをいいます。

心臓は周期的に収縮するので、血圧もそれに伴って変動します。

 

心臓が収縮しているときの圧が最高血圧、弛緩しているときの圧が最低血圧になります。

 

最高血圧は1回拍出量や拍出速度、動脈壁の男性に依存します。また、最低血圧は抹消循環抵抗、次期収縮までの時間、動脈壁の弾性に依存します。

 

一般的に運動をすると最高血圧は上昇します。

しかし最低血圧は運動様式や個人によって変わってきます。全く変動しないこともあります。

 

最高血圧は交感神経の緊張による心拍数量の増加による影響、最低血圧は交感神経の緊張による心拍数、心拍出量の増加、代謝産物の増加、体温上昇、血管の収縮と拡張の影響が考えられます。

最低血圧の方が変動に関与する要因が多いのが特徴です。

 

等尺性収縮は血圧が上昇しやすいのですが、血圧上昇には収縮期の機械的圧迫、等尺性運動中に生じる圧反射、努力による胸腔内圧の上昇などの関与が考えられます。

 

起立時の血圧変動について

臥位から座位になると心臓への灌流血液は30%程度減少すると言われています。

しかし、血圧の調整反応がある為、末梢血管が収縮し最低血圧の低下は20mmg以内にとどまります。

その為、これをこえて低下するということは血圧の調整反応に異常をきたしているということになります。

 

起立性低血圧(立位となって3分以内に収縮期血圧20mmHg 、拡張期血圧10mmHg以上の低下をきたす場合)はめまい、ふらつき、冷感、あくびの症状に注意が必要です。

 

重症虚血による左室収縮不全の場合、運動により血圧が低下します。また、負荷を強くしても血圧が上昇しないということがあります。

脳血流と血圧の関係性について

体血圧が50~180mmHgの範囲、脳灌流圧が60~160mmHgの範囲であれば脳血流は一定に保たれます。

脳障害におけるリスク管理上、考えるべきは再発と脳循環への影響です。

 

人には本来、血流量の自動調節機能が携わっているので血圧は安定しているのですが、脳梗塞では6か月以上も自動調節機能が障害されるという報告されています。また高齢者や高血圧、糖尿病を合併している症例ではより顕著に現れます。

脳出血では、急性期は自動調節機能が異常をきたし脳代謝、脳血流共に低下します。

 

健常者の運動中の血圧の基準について

運動中20mmHg以上の血圧降下では運動を中止する。

収縮期血圧250mmHg、拡張期血圧120mmHgを超える場合は運動を中止する。

 

心疾患を伴っている場合の血圧の基準について

収縮期血圧が160mmHg~200mmHg以上では一時訓練を中止します。

血圧の上昇は心筋酸素消費の増加による虚血発作をもたらす可能性があります。

血圧上昇と新破裂には因果関係のある報告が多いです。心停止や突然死を生じる可能性もあります。

 

当り前のことですが、心疾患があれば、より血圧の変動を気にしなければなりません。

 

心筋梗塞急性期の人に対してリハビリをする場合は収縮期血圧30mmHg以上の上昇、20mmHg以上の低下が条件となります。

 

虚血性脳血管障害の血圧の基準について

安静時血圧は200mmHg/120mmHg以上であれば訓練をしません。

 

また、運動時の収縮期血圧が220mmHg以上あるいは収縮期血圧の40mHg以上の上昇、拡張期血圧の20mmHg以上の上昇にて中止するのが望ましいです。

 

逆に運動をしているのに20mmHg以上血圧が低下している場合は脳灌流を低下させ、虚血部位の不可逆的な障害を引き起こす可能性があります。

 

脳出血での血圧の基準について

30mmHg以上の上昇、もしくは180mmHg以上となった場合中止するべきです。

破裂性脳動脈瘤(くも膜下出血)では収縮期血圧が160mmHg程度でも再出血の可能性があります。

さいごに

療法士は、なんでもかんでもアンダーソンの基準に合わせようとする傾向があります。

盲目的に何かの基準にすがるのではなく、しっかりと自分の頭で考えつつ、文献を調べ、医師に質問し良い基準を決めましょう。

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