こんにちは!みのりです。
以前訪問看護と併用できるサービス、できないサービス。訪問看護の訪問はできるのか。
という記事でもふれましたが、
医療保険では、1人の利用者さんに対して2ヶ所以上の訪問看護ステーションはが関わることは原則できません。
ただし、介護保険においては、2ヶ所以上の訪問看護ステーションが関わることはできます。
同日の介入だってできます。
ここでややこしいのが、1人の利用者さんに1つの訪問看護ステーションがリハビリで介入していて、もう1つの訪問看護ステーションが看護で介入している場合です。
この場合のトラブルについて紹介していこうと思います。
リハビリ特化型の訪問看護ステーション職員やリハ職員が少ない訪問看護テーションにお勤めの方は是非読んでください。
片方の訪看ステーションに特別訪問看護指示書がでた場合の注意点
まず、特別訪問看護指示書というのはこういうものです。
訪問看護指示書が交付されている患者様が対象となり、医療保険での利用で交付されます。急に病状が悪くなった時や終末期、退院直後といった時に、頻繁な回数の訪問看護が必要と、主治医が認めると交付を受けられます。特別訪問看護指示書は、訪問看護指示書と同一の医師による発行となります。訪問看護の対象となる疾患に対して、医師の診療を受けた日から14日以内が有効期限です。原則として月1回の交付とされていますが、気管カニューレを使用している、あるいは、真皮を超える床ずれのある人は、月2回まで交付受けることが可能です。月2回交付されるケースでは、医療保険を利用してほぼ毎日訪問看護が受けられます。
出典:訪問看護NAVI 訪問看護サービス
頻繁な訪問看護が必要というのは、具体的に週4回以上ということになります。
1人の利用者さんに2ヶ所以上の訪問看護ステーションが介護保険で介入している場合、この特別訪問看護指示書がでると、ちょっとややこしいことがおこります。
特別訪問看護看護指示書が、片方の訪看ステーションに出されると、医療保険による介入となります。
ここで問題になるのが、医療保険は原則1事業所しか関われないということです。
どちらか一方の訪問看護ステーションは介入できなくなります。
訪問看護と併用できるサービス、できないサービス。訪問看護の訪問はできるのか。でもふれていますが、別表7、8に該当する場合、1人の利用者さんに対して2ヶ所の訪問看護ステーションが関わることができます。
この場合も結局、同日介入ができないので1ヶ所の訪問看護ステーションしか介入できないことも多いでしょう。
特別訪問看護指示書をもらっている訪問看護ステーションの介入の隙間をねらって、もう1つの訪問看護ステーションが介入することができますが、本当に必要な介入なのか考えてから介入するべきですね。
特別訪問看護指示書がでてトラブルになった話
リハビリ特化型の訪問看護ステーションではたまにあります。
これは返戻にもあるので気を付けなければなりません。
こういったことがありました。
1人の利用者さんに対して、訪問看護のリハビリで介入していました。介護型の老人ホームにお住いの利用者さんで介護保険での介入でした。利用者さんは認知機能が低下しておりコミュニケーションもほとんどとれない状態でした。
始めは、1つの訪問看護ステーションでリハビリをしていたんです。
リハビリは行っているものの、利用者さんは食欲が低下し全身状態が徐々に悪くなっていきました。
ある日、担当の理学療法士は「状態はあまりよくないから、看護師の介入を提案してみよう。」とケアマネージャーに相談したそうです。
するとケアマネージャーから「たしか、2週間前から医療で○○訪問看護ステーションが入ってるって老人ホームの人から聞きました。点滴してもらってます。」と返事がありました。
そうです。特別訪問看護指示書が別の訪問看護ステーションにでて、いつの間にか介入していたんです。
ケアマネージャーを介さず、老人ホーム側が主治医に依頼し、主治医のクリニック系列の訪問看護ステーションが介入してしまっていました。
医療保険なのでケアマネはノータッチ。老人ホームのスタッフは訪問看護の細かいルールなんて知らない状態です。
その2週間、訪問看護のリハビリは介入していたのですが、算定なんてできません。
特別訪問看護指示書がでている訪問看護ステーションの方が強いです。
医療保険だからといって新しいサービスが入っているのに報告してこないケアマネージャにも問題はありますが、担当の理学療法士が細目に老人ホームのスタッフやケアマネとコミュニケーションをとっていたら防げた問題かもしれません。
また、これが利用者さんの自宅で家族が同居していたら、普段の会話のなかから汲み取れたものかもしれません。
このケース、私の勤めている職場では2件同じようなことがありました。
どうすれば、こういったアクシデントを防ぐことができるのか
これを防ぐには、利用者さんや利用者さんに関わる人達とコミュニケーションをしっかりとることが必要です。
療法士は利用者さんの状態が悪いと感じたその時点で、そういった人達と話していれば、訪問看護ステーションを新たに利用するという情報をえることができたかもしれませんし、自分の訪問看護ステーションから看護師の介入を促すこともできたかもしれません。
また、訪問看護の契約時に施設スタッフやケアマネージャーに対して、複数の訪問看護ステーションが介入できないケースがあるということ、複数の訪問看護ステーションが介入している場合、特別訪問看護指示書がでると、もう1つの訪問看護ステーションが介入できなくなる場合があるということを話しておくことも重要かなと思います。