筋力訓練として有能なスクワット。
足の筋肉だけでなく、背筋や腹筋にも効くため広範囲の筋肉を鍛えることができます。
自主訓練としてスクワットを取り入れることができれば介護予防・廃用予防において強い味方になります。
ただスクワットには弱点があります。
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スクワットはフォームがめちゃくちゃ難しい。
スクワットのフォームはホント難しいです。というか、たくさんの関節を一度に動かすので注意する部分が多いんですね。
例えば、上の写真の人がスクワットをしていますが、骨盤をしっかりと前傾させてへっぴり腰になっていますよね。
これが正しいんです。
また、膝はつま先より内に入らないようにしなければなりません。いわゆる内股のようになると膝や足首に負担がかかります。
つま先と膝は同じ方向を向くように注意しなければなりません。
あとは重心の位置。
上の写真の人は踵に重心がのってます。これが、つま先の方に重心がかかると上手く筋肉に負荷がかからないのでスクワットの効果が半減します。
ここから重心を踵側にキープしつつ腰を下ろしていきます。椅子に座るようなイメージです。
腰を下ろしながら、膝が内に入らないか。骨盤の前傾はキープできているのか。を気にしないといけないんですね。
はたして今まで運動らしい運動をしていなかった高齢者がこの複雑な動作を獲得できるでしょうか?
筋肉の少ない高齢者の場合スクワットは負荷が強いので正しいフォームでできない。
腰をしっかりと後方へひいて膝を曲げていくというのは、なかなか負荷が強いのでできない高齢者は多いです。
その為、股関節や膝関節の屈伸を浅くする場合もあるのですが、自主訓練として普段行っているとどんどん角度が浅くなっていく傾向にあります。
角度が浅くなればなるほど効果は減っていきます。
普通のスクワットの負荷が強くてできないのであればワイドスクワットがおすすめ
この動画はとてもわかりやすくワイドスクワットについて解説されています。
1:15からがワイドスクワットのフォームの話になっています。
ちなみにこの動画は一緒にワイドスクワットができる作りになっているので、是非興味のある方はやってみてください。
普段運動していない人は特に股関節内転筋群に効いている感覚がわかると思います。
ワイドスクワットの特徴としては股関節周りの筋肉をより広範囲で鍛えることができます。また、負荷量は普通のスクワットよりも低いので筋力の低下している人にでも行うことができます。
また、高齢者の場合は股関節の柔軟性が低下していることが多いのですが、その股関節の柔軟性を引き出す効果もあります。
普段運動をしていない高齢者にスクワットを指導する場合は、複数回指導してフォームをチェックする必要がある。
スクワットはフォームが難しい。また、単にスクワットといってもワイドスクワットのような特殊な方もある。
こういったことがあるので、スクワットを自主訓練として指導する場合は何度かフォームをチェックする必要があると考えます。
間違ったフォームになっていないか確認が必要なんです。
それを、療法士が疎かにしていると利用者さんが膝や腰を痛めるといった最悪の結果になるので丁寧に指導していましょう。
そして、私の経験上療法士がスクワットのフォームを正しく理解していない場合があります。
しょうもない療法士はだいたい、「つま先より膝を前に出さないように注意して腰を下ろしてください」程度のアドバイスしかできません。これしか言えない(知らない)療法士は勉強不足です。
さいごに
私の場合、普段運動をしない高齢者に対してスクワットを指導することはあります。
ただ、ワイドスクワットを指導することが多いですね。
どのようなスクワットを指導するにしても、正しいフォームでできるまでにある程度の時間はかかります。ある程度の時間がかかったとしてもスクワットが一人でできるようになれば、こんな心強い筋トレはありません。
普段運動をしていない高齢者に自主訓練としてスクワットを指導するのは無謀ではないのか?
否。難しいが療法士が工夫すれば何とでもなる!ですね。