こんにちは!みのりです。
訪問看護でリハビリをしていく中で無視できないのが転倒です。
最近、フレイルやサルコペニア等の言葉を耳にすることが多くなりました。
本日、地域の高齢者向けに介護予防の講習会を開いたいのですが、フレイルやサルコペニアという言葉を知っている方が結構いたんです。
私の中ではこれらの言葉は専門用語のような感覚で覚えていたものなのでびっくりしました。
というわけで、今回は転倒予防について書いていきます。
介護が必要になった原因
まずは高齢者の転に関して講習会を開くと、かなりの高確率で出てくるグラフからご覧ください。
このグラフでは転倒になった原因として「脳卒中」が1番の原因となっていますが、「認知症」「高齢者による衰弱」「関節疾患」「骨折・転倒」は加齢により引き起こされています。
当り前のことですが、加齢による身体機能の低下が骨折や衰弱を引き起こし介護が必要な状態への引き金になっています。
寝たきりの原因となる高齢者の転倒の傾向
これからわかることは高齢者になると転倒しやすく、転倒する人は何回も転倒しているということです。
そして、下肢の骨折すると骨折した人の1/4は歩行不能になっているということです。
高齢者が転倒を起こす環境
まあ、当り前のことですが、生活をする上で同一平面上を移動することが多いのでこういった結果となっています。
トイレへ歩いて移動する。ベッド周囲で転倒するといったものもこれ(同一平面上)に入ります。
転倒の要因
転倒の要因は内的要因と外的要因に分けられます。
内的要因は身体機能、外的要因は環境の影響が作用します。
個人特性の医学的問題というのは
- 脳血管疾患や神経系の疾患による運動麻痺、協調性障害、高次脳機能障害、認知症など。
- 起立性低血圧・洞不全症候群などによる心拍出量の急性低下や脳循環血流の急性低下による失神など。また、咳や排尿・排便に伴う失神もある。
- 骨関節の炎症、変形による疼痛や身体機能の低下など。
というのもがあります。
また、薬物使用については
- 精神・神経機能の低下
眠気、ふらつき、失神、意識障害、注意力の低下、めまい、せん妄、末梢神経 障害、しびれ - 運動機能の低下
歩行障害、脱力、筋緊張の低下、失調、下肢麻痺、パーキンソン症状 - その他
低血糖、低血圧、視力障害
というものが影響します。
個人特性の性別というところは↓に表されています。
女性の方が圧倒的に転倒した際骨折しやすいということがわかります。
これは閉経後ホルモンバランスの影響により骨量が減少する為といわれています。
外的要因の環境要因というのはこれらが該当します。
- 滑りやすい床表面
- 目の粗いじゅうたん
- 固定していない物体
- 照明不足
- 戸口の踏み段
- カーペットのほころび
- 電気器具コード類
- 散らかし
- 段差
- 履物
何かにひっかかってつまずいて転倒というものがとても多いです。
つまずきのメカニズム
つまずいたとき若年者では、しっかりと1歩を踏み出すことができるので転倒しません。高齢者の場合、1歩踏み出しても足が十分前に出せてないので勢いを殺せず前方へ転倒してしまうのです。
転倒を予防するために評価する項目
- 転倒の状況調査
- 服薬状況
- 急性または慢性疾患の問題
- 活動レベル
- 視力検査
- 歩行ならびにバランス
- 下肢の関節機能・末梢神経
- 精神状態、脳機能、心機能
- 10m歩行
- 片脚立位
- 30秒椅子立ち上がりテスト
- Time up and go Test (TUG)
- Berg Balance scale(BBS)
高齢者の平均は50-55 45未満で転倒リスクは高いと判断さ
れる。 - Dynamic Gait Index
BBSで天井効果(満点を取る身体能力がある患者)が認め
られる場合に使用される、パフォーマンスの高い、見守り
以上の歩行レベルの方を対象としたテスト。
転倒に関与するものはとても多いので評価するべき項目はたくさんあります。疾患や転倒した際の状況を情報収集することである程度評価項目を絞ることはできます。
これだけの評価をすると、結果からどんな訓練をすれば転倒を予防できるのかということがある程度分かります。
その中で一般的にはこんな訓練をする!この場合はこういった工夫が必要!といものもあるのですが、それはまた別の話。
[…] 評価については高齢者の転倒予防についての理学療法士による評価項目をご参照ください。 […]