訪問看護の話

訪問看護における平成30年度の介護報酬の改定

こんにちは!みのりです。

 

介護報酬は3年ごとに見直しがされています。今回の改定は結構大きな変化があって、現場は混乱しました。

 

ここでは、介護報酬の改定によって介護保険での訪問看護介入がどう変わったかを書いていきます。

 

訪問看護の改定事項

  1. 基本報酬の見直し
  2. 理学療法士等の訪問についての見直し
  3. 看護体制強化加算の見直し
  4. 緊急時訪問加算の見直し
  5. 複数名訪問加算(Ⅱ)の新設
  6. ターミナルケアの充実

 

1.基本報酬の見直し

訪問看護の介護報酬です。地域によっては地域加算が加わるので多少変わってきます。

訪問看護 介護予防訪問看護
20分未満 310単位 311単位 300単位
30分未満 463単位 467単位 448単位
30分以上60分未満 814単位 816単位 787単位
60分以上90分未満 1117単位 1118単位 1080単位
療法士の介入 302単位 296単位 286単位

 

要支援の利用者の点数は減って、要介護の点数は増えていますね。

要支援の利用者は早く改善させて総合事業の集団体操などに移したいのでしょう。

結果的に「質が高く効率的な介護の提供体制の整備」に繋がってくるのでしょうね。

訪問看護のリハビリは良くも悪くも期限がないので、だらだら長くサービスを提供しがちです。

私は利用者を早く良くして卒業させることは重要なことだと思うので、これはこれでよい見直しではないかと思います。

 

2.理学療法士等の訪問についての見直し

訪問看護ステーションから理学療法士等が訪問してリハビリを行う場合、定期的な看護の訪問が必要になりました。

あくまでも訪問看護のリハビリは看護の一環ということです。今回の改定ではこれをより強調する形になりました。

実際、訪問看護の理学療法士等(PT・OT・ST)は看護師と連携が十分でないということがわかり見直されたのでしょう。

 

訪問看護なのに看護師が把握してないというのも問題です。

 

 

また、訪問看護計画書や訪問看護計画書は看護師と理学療法士等が連携し製作しないといけなくまりました。

看護師が介入することになるので、これはあたりまえです。

 

あとは

「理学療法士等による訪問看護はその訪問が看護業務の一環としてのリハビリテーションを中止したものである場合に、看護職員の代わりにさせる訪問であること等を利用者に説明し同意を得ることとする。」

 

これを契約の時にしっかり説明しないといけません。

 

 

3.看護体制強化加算の見直し

看護体制強化加算 300単位/月

       ⇓
(改定後)看護体制強化加算(Ⅰ) 600単位/月
看護体制強化加算(Ⅱ) 300単位/月

 

点数は高くなっているようですが、この加算とるのははなかなかハードルが高いです。
まず緊急時訪問加算の算定者割合が50%以上、特別管理加算算定者割合が30%以上!
この要件を6ヵ月間満たしてないことの加算(ⅠもⅡ)をとることができません。以前は3ヶ月であったのが今回6ヶ月になっています。

算定者の割合出すのなかなか大変ですね。今回の改正で管理者さんの負担は増えまくり。

 

また加算Ⅰはターミナルケア加算の算定者5名以上(12ヶ月間)(新設)、

加算(Ⅱ)はターミナルケア加算の算定13名以上(12ヶ月間)
こうれらの条件を満たす必要があります。

少なくともリハビリ特化型で看護師の少ないステーションは、この加算をとれないでしょうね。

看護中心でターミナルもガンガンやります!ってところが取れる加算です。

 

4.緊急時訪問加算の見直し

これは点数があがりました。

訪問看護ステーション 540単位/月 574単位/月
病院または診療所 290単位/月 315単位/月

 

早朝、夜間、深夜の加算は2回目以降の緊急時訪問において対象者の制限がありましたが、それがなくなりました。

 

5.複数名訪問加算(Ⅱ)の新設

複数名で同行する場合、今までは「看護師等」というくくりになっていましたが、看護補助者でもよくなりました。同行者は無資格でもよくなったということです。

 

点数はこんな感じです。

2人の看護師で訪問 2人の看護師で訪問
30分未満の場合 254単位 複数名訪問看護加算(Ⅰ) (変更なし)
30分以上の場合 402単位
看護師と看護補助者での訪問
30分未満の場合 201単位
30分以上の場合 317単位

 

小さな訪問看護ステーションでは看護補助者にあたるような人はいないような気もします。

誰と行くんだよって感じです。

 

一応ですね。。。

「看護補助者とは、訪問看護を担当する看護師などの指導の下に、療養生活上の世話(食事、清潔、排泄、入浴、移動等)の他、居室内の環境整備、看護用品および秘密保持や医療安全等の観点から、訪問看護事業所に雇用されている必要があるが、指定基準人員に含まれないことから、従事者の変更届の提出は要しない。」という文言があります。

 

もう一度言います。

 

誰と行くんだよ。

 

 

6.ターミナルケアの充実

「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスにおけるガイドライン等の内容を踏まえ、利用者本人と話し合いを行い、利用者本人の意思決定を基本に、他の医療及び介護関係者との連携の上、対応する」

これが明示されました。

 

当たり前のことではありますが、居宅介護支援事業所などと十分な連携を図るよう努める!これを徹底しなければなりません。

 

まあ、それはそうでしょう。

 

まとめ

こまかな改定は、まだぼちぼちありますが今回は抜粋しています。

 

ただ一つ思うのは小さな訪問看護ステーションやリハビリ特化型のステーションは淘汰されていくでしょう。

訪看ステーションで働いている療法士ならうすうす気づいているとはおもいますが、ここは療法士の土俵ではないのです。そのうち追い出されるかもしれませんね。

 

リハビリは訪問リハビリステーションで、看護は訪問看護ステーションでというようにするのが理想なのかもしれませんが、訪問リハビリステーションはいろいろとめんどくさいルールが多すぎる!だから、こんな感じになっているんだと思います。

 

 

 

 

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