こんにちは!みのりです。
令和3年の介護保険改定に向け、私が勤めている訪問看護ステーションでは何度も対策会議が行われています。
率直な感想としては、思っていたより軽い減算でよかったというところです。
今回の記事は令和3年度の介護保険改正における訪問看護の減算ポイントとその対策について触れていきます。
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訪問看護における介護保険改正の減算ポイント
訪問看護における令和3年の介護保険改正では減算となるポイントは大きく3つあります。いずれもリハビリのサービスが減算となっています。
・理学療法士等の介入は1回4点減算
・理学療法士等が要支援者への60分介入した場合大幅減算
・理学療法士等が要支援者に1年以上介入したら5点減算
こんなもんです。
「理学療法士等の介入は1回4点減算」についてですが、理学療法士等の介入は現在1回297点、介護予防で287点となっています。これが293点、283点となったとしても微々たるものです。1日単位では数十円、月単位でも数百円程度です。
「理学療法士等が要支援者への60分介入した場合大幅減算」ということですが、現行では要介護者でも、要支援者でも1日に60分の介入をした場合、1回につき100分の90に相当する単位を算定となっていますが、改定後は要支援者に60分の介入をした場合、1回につき100分の50に相当する単位数を算定することになります。つまり10%の減算から50%の減算になってしまうのです。もうこれは「要支援者に60分介入はするなよ!」と国から言われているようなもんです。
「理学療法士等が要支援者に1年以上介入したら5点減算」については、そのとおり。1年以上の介入に減算がかかります。もともと1回につき4点減算されてるのに、そこから5単位引かれるのはきついですね。要支援者についてはMAX1年で終了しますという事業所も出てくるでしょう。
まあ、でも。その程度です。
余程、要支援者の60分介入を抱えているところでなければダメージは少ないでしょう。
介護保険改正による減算への対策
上で挙げたような減算があるわけですから、それなりに対策が必要です。職員の給与を減らす、歩合を失くすということで解決できるかもしれませんが、それは職員離れにつながってしまいます。
そんなわけで、私の職場で挙げている対策を紹介します。
・要支援者への60分介入はやめる。
・要介護者の60分介入も減らす。
・要支援者への介入は面談時に1年で卒業ということを説明しておく。
・現在介入している要支援者においても卒業を促す。
対策はこの4つです。
要支援の60分介入は減算がエグいので終了していきます。要介護者への60分介入も1割ですが減算なので、これを失くしていくことでダメージ軽減を図ります。
要支援者に1年以上介入している場合の5点減算をキツいので、契約時に1年以上できないということをしっかりと説明します。これをしないと、後々トラブルになります。
現在1年以上介入している要支援者においても、今回の改正内容を利用者、ケアマネに説明し、会社の方針として終了しなければいけないと伝えます。
ただこれは強引にいくと会社の評判が悪くなるので、いけそうな処から攻めていきます。
あとは営業です。60分から40分に時間を削減したところ、要支援者を終了に持っていった処には空き時間ができてしまいます。しっかりと営業し新規利用者を増やさないと、単に売り上げを下げただけになってしまいます。
因みに私が勤めている訪問看護ステーションではシュミレーションの結果、これらの対策で減算の影響は約0.5%になりました。
看護職員が6割以上でないとペナルティーがなくなったので助かった
今回の改定で1番問題になっていたのがこれです。
「訪問看護ステーションなのだからセラピストが多すぎるのはどうなの?看護師が多くないとダメでしょ!リハビリが幅をきかせてるとこには減算だ!!ざまぁ!!」というやつです。
これに、PT・OT・ST協会は本気を出して署名活動なんかもしました。これに助けられたのかもしれません。
「看護職員が6割以上でないと・・・」というのは看護体制強化加算の条件になる程度のことで落ち着きました。
まあ、これも元々機能強化型をとっている事業所にとってはキツイかもしれませんが、2年程度の猶予期間もありますし、もし無理でもやる気があるんなら待ちますよ的な制度もあるので許容範囲でしょう。
訪問看護ステーションなのにセラピストが看護師より多いのはダメ
この流れは変わりません。分科会でも力のある人達がそう発言していますし、今後。セラピストだらけの訪問リハビリのような訪問看護ステーションは生き残れなくなるはずです。
セラピスト過多な訪問看護ステーションは今のうちから看護師募集に本気になりましょう。
看護師さんてなかなか来てくれませんよね。大変ですが頑張りましょう!!