こんにちは!みのりです。
最近こんなツイートをしました。
パーキンソン病の利用者に、安易に「頑張れば良くなりますよ」っていう理学療法士。
一見、熱意がある良い理学療法士に利用者からは見られるかもしれないけど、
何も考えてない無責任なバカ。
「頑張れば良くなりますよ」は危険な言葉。
— みのり@訪問看護で働く理学療法士 (@kikuchiyooo) May 19, 2020
この理学療法士の発言で利用者家族とトラブルになりました。
色々なところに配慮が足りませんありませんでした。
今回は、この理学療法士が「頑張れば良くなりますよ」と利用者に言ってトラブルに至った経緯やその背景にあるもの、どうすればよかったのかというところについて書いていきます。
Contents
理学療法士が利用者に「頑張ればよくなりますよ」と言って、トラブルになった経緯・背景にあるもの
「頑張ればよくなりますよ」
これは私の同僚の理学療法士が訓練中に利用者に放った言葉で、それを聞いた家族から「それは、本当ですか?頑張ったら良くなるんですか?」と詰め寄られました。
その時その理学療法士は何も言うことができず、利用者やその家族はその理学療法士に対して不信感を募らせたようです。
その利用者さんは去年、自分がバーキンソン病だということがわかり治療に取り組んでいました。
始めの頃は少し歩きにくいという程度の症状しか出ていなかったようですが、ここ最近パーキンソン病の症状が顕著にみられるようになりました。
頻繁に転倒するようになったり、起き上がり動作が困難になったりと日常生活で困ることが増えていました。
利用者や家族はパーキンソン病の治療で有名な病院を片っ端から探していました。
その矢先の出来事でした。
その理学療法士は何故「頑張ればよくなりますよ」と言ったのか
私はこの理学療法士に
「頑張ればよくなりますよ」と実際に言ったのか?
言ったのであればどういう意図で言ったのか?
と聞き取りを行いました。
結論からいうと、この理学療法士は利用者のモチベーションを高めるために「頑張ればよくなりますよ」と言ったようです。
この理学療法士が言うには、この利用者はパーキンソン病の症状だけでなく、廃用による筋力低下もみられていた為、運動による伸びしろが十分あると考えられました。
また、環境設定により、ADLの一部の動作の介助量を減らすとこができると思っていました。それに加え、最近はネガティブな発言が多くなり、リハに対してのモチベーションが低かったようです。
そこからでた言葉だと言っていました。
でもどうでしょう。
そういったことを考えた後、発した言葉であればもう少し具体的な言葉が出ていたのではないか私は思ってしまいます。
パーキンソン病は進行性の病気だからリハビリは効果がない!というわけではない。
リハビリがパーキンソン病の症状を緩和させるかというと厳しいと思います。
「振戦や姿勢反射障害がリハビリによって改善された」なんてことは、長く理学療法士をやっている私でも、見たことも聞いたことがありません。
しかし、多くのパーキンソン病を患っている利用者の多くは環境設定や動作指導により、できる動作を増やすことができます。
パーキンソン病だけでなく廃用による筋力低下を呈している利用者もいます。
つまり、リハビリは進行性の病気そのものを治す効果は期待できませんが、身体機能を高めたり、できることを増やすことはできるのです。
専門職であれば利用者の気持ちをくみ取れよ。
理学療法士はリハビリの専門職です。
進行性の病気であれば、その病状に対してリハビリが無力であることを知っていますし、その後、その利用者がどういった生活を送っていくかということは容易に想像できます。
そういったことを踏まえて利用者にはどう声掛けを行うのか慎重に選ぶ必要があると考えます。
今回の件は、担当理学療法士の考えが余りにも幼稚でした。
目先のことしか考えず、この言葉を発したら相手がどう思うのかということを全く考えていませんでした。
この世から、こんな理学療法士がいなくなることを心から願います。