こんにちは!みのりです。
最近こんなツイートをしました。
訪問看護で歩合があると、それなりにスタッフのモチベーションは上がるけど、利用者の囲い込みをしようとする人がでてくる。
これが厄介。
そう思って私の知り合いの訪看STは、歩合制をやめて、ボーナスという形でインセンティブを与えようとしたのだけれど、退職者続出。
— みのり@訪問看護で働く理学療法士 (@kikuchiyooo) March 10, 2020
訪問看護ステーションでは歩合を設けている所が多いです。ただこの歩合、魅力的なものなのですが諸刃の剣なのです。
今回は、訪問看護における「歩合」のメリット、デメリットについて書いていきます。
訪問看護における「歩合」のメリット
歩合があると、職員は頑張って働きます。
何に対して歩合がつくのかは事業所によって違います。
私が勤めているところは、1月に〇〇件訪問したら、そこから1件につき〇〇円歩合がつくというシステムです。
他には、リプライでも情報を頂きましたが、介入時間に対して歩合がつくところもあるようです。○○時間以上訪問したら、そこから1時間ごとに〇〇円歩合がつくという感じです。
そういった歩合があると、一般職のスタッフは残業しても不満は出にくくなります。
そらそうですよね。
割とお得にお金がもらえるんですから。
管理する立場から見ても、職員に利用者を頼みやすくなるので新規利用者の調整がやり易くなります。
訪問看護における「歩合」のデメリット
ツイートしていることでもあるのですが、セラピストが利用者を囲い込みやすくなります。
普段から、担当セラピストばかりが1人の利用者に関わっていると、担当セラピストが休みをとったときに代診ができにくくなるんです。
利用者は「〇〇さんが休むのなら、リハビリは休みでいいです。」となってしまいます。
こういった環境づくりは、利用者にとっても会社にとっても良くはありません。
管理する側からしても、利用者の調整がやり難くなります。
入院や中止などでセラピスト間の担当利用者数の差が大きくなっても、均等に調整しにくくなるのです。
こうなってくると、利用者の少ないセラピストからは不満が出てくるのです。
今回、歩合制をやめて職員が退職した理由は
ツイートした事業所の社長と話をしたのですが、結局歩合制をやめてもボーナスという形でインセンティブを支給しているので、年収的には大きく変わらないということでした。
しかし、辞める職員からは給与的に厳しくなるので辞めると言われたそうです(社長は直接言われたわけではないようですが)。
私、その辞めた職員の1人と少し関りがあるので話を聞いてみると、歩合制を失くすということが、「会社として職員に還元する気持ちがなくなった。」と思ったようです。
つまり、会社が給料をケチっていると思っているのです。
そんなことないんですけどね・・・
その職員は結構な歩合給を貰っていたようで、ボーナスで還元となると、給与が激減すると言っていました。
まあ。それもそうなんですよね。
この事業所においてインセンティブをボーナスとして支給するということは、事業所全体の利益の一部を職員それぞれに均等に分配するというものです。
1人の職員がいくら稼いでいても、給与という形では評価しなくなるということなのです。
跳びぬけて歩合で稼いでいた人は給料が下がるでしょう。
給与しか魅力のない訪問看護ステーションは今後潰れる?
介護保険、医療保険共に訪問看護ステーションのセラピストにとってはネガティブな情報が多くなっています。
リハビリでガンガン稼ぐことができていた訪問看護の時代は終わってしまいました。
高給与のみを売りにしていた訪問看護ステーションは給与のキープが難しくなり、セラピストをとどめることが難しくなるでしょう。
訪問看護の職員を定着させたければ、給与以外の魅力も作っていかなければいけませんね。
こんなことを書くと、セラピストは働く場所がいくらでもあるように見えますが、実際はそんなことはありません。
数年前に比べ確実にいい条件の職場の求人はなくなっています。
セラピストも自分のアピールポイントを作っていかないと、雇ってもらえない時代がすぐそこまで来ています。