リスク管理

訪問看護のリハビリではリスク管理をどう考える?特に心臓の機能はどう見る?

こんにちは!みのりです。

 

訪問看護でリハビリをしているとリスク管理はどうすればいいのだろう?と思うことがよくあります。

病院と違って、医療的な情報が絶望的に少なかったりします。

 

皆さんは?リハビリを行う際、心臓の機能をどう評価していますか?

今回はこのことについて書いていこうと思います。

療法士は心臓の機能を何で評価する?

一般的にはこんな感じではないでしょうか。

心拍数  

徐脈なのか頻脈なのか。不整脈なのかどうか。

脈圧はどうなのか。というところをみます。

一定以上の心拍数増加は冠動脈を減少させます。心拍数が180拍/分をこえてくると注意が必要です。

訪問看護でも簡単に評価できる項目ですね。

血圧

療法士の世界では有名なアンダーソンの基準を参考にする場合がほとんどなんじゃないでしょうか。

収縮期血圧が30㎜Hg以上の上昇、20㎜Hg以上の低下があれば注意が必要です。

運動の負荷が高いのに血圧が上昇しない場合、左室ポンプ機能の低下を示している場合があります。

心電図

心電図からはいろいろな情報が得られるので、リスク管理をするうえでは便利なのですが、訪問看護では心電図をみながらリハビリをするということは、ほぼないでしょう。

もし、あるとすればST部分の偏移があるかどうかを気にするといいのではないでしょうか。心筋虚血の可能性があるという点と、わかりやすいという点でです。

胸部エックス線

胸部エックス線では心胸郭比を計算で出すことができます。

ここでは詳しく書きませんが50%未満であれば正常です。50%をこえると心拡大となります。

血液検査

脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)200~400/mgで中等度心不全が示唆されます。

その他

スワンガンツカテーテルによる結構動態からの心不全重症度の分類であるフォレスター分類や非侵襲的身体所見からの評価であるノリア分類なんかがあります。

こういったものがあるのは知っていますが、私の場合、実際使ったことはないです。

脈拍でわかることは意外にたくさんある

正常な脈拍はRR間隔が一定で、不整脈はRR間隔がバラバラだということです。

 

・不整脈はなく徐脈の場合 Ⅲ度房室ブロック、心房細動が考えられます。

・不整脈でなく頻脈の場合 徐脈、洞性頻脈、心室頻拍、発作性上室性頻拍が考えられます。

・不整脈が連続で発生している場合  心房細動、Ⅱ度房室ブロック、心室細動、トルサード・ド・ポアンツが考えられます。

・不整脈が不連続で発生している場合 心房性期外収縮、心室性期外収縮、洞停止、同房ブロック、Ⅱ度房室ブロック(モビッツⅡ型)が考えられます。

結構、脈拍だけでもいろんな情報が得られるもんです。

 

不整脈の影響

これらのことが考えられます。

・心房細動は心原性脳梗塞の原因となります。

・心拍出量が低下し、各種臓器の循環不全をもたラス可能性があります。

・頻脈であった場合、心臓に負担がかかりますし、拡張期が短縮し心筋虚血になる可能性があります。

 

特に注意をする不整脈

不整脈にも種類があって、不整脈の中でも徐脈なのか頻脈なのかということだけで心臓の状態をある程度予測することができます。

 

・頻脈性の致死的不整脈では  心室細動、心室頻脈、トルサードドポアンツの可能性が考えられま

す。

・頻脈性の危険な不整脈では  RnoT型心室性期外収縮、心室性期外収縮、多源性心室性期外収縮、発作性上室性頻脈、WPW症候群、心房細動、心房粗動が考えられます。

・徐脈性の致死的不整脈では  Ⅲ度房室ブロック、洞不全症候群(高度洞性徐脈、洞停止、徐脈頻脈症候群)が考えられます。

・徐脈性の危険な不整脈では  Ⅱ度房室ブロックが考えられます。

 

さいごに

訪問看護の現場では画像所見をみることもできませんし、心電図をつけたままリハビリをすることもないです。

バイタルチェックくらいしかできない場合があります。しかし、バイタルチャックでもわかることはたくさんあります。

 

知識さえあれば、訪問看護でもしっかりとリスク管理をすることは十分可能です。

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