リハビリの話

理学療法士はマッサージをしてはいけないのか?していいのか?

こんにちは!みのりです。

訪問看護のリハビリの依頼をいただくなかで、よく聞くのがマッサージをしてほしいというというものです。

 

療法士のみなさんはマッサージしていますか?

 

そして、こんなことを聞いたことはありませんか?

マッサージは「あん摩マッサージ指圧師」と「医師」しか行うことができません。と。

 

理学療法士はマッサージをしてはいけないのか?

抜け道はあるのか?

 

そういった疑問にお答えします。

マッサージとは

まず、マッサージとは

手掌や手指を用いて体表を摩擦したり,圧迫を加えて血液やリンパの循環をよくし,新陳代謝を盛んにして,神経や筋肉の機能を促進する技法。その手技には,軽擦法,強擦法,揉捏法 (筋肉を指ではさみ,こねるようにする方法) ,叩打法,振戦法のほか,圧迫法,伸展法 (関節に用いる) がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について

 

マッサージにはいろんな方法があります。一般的にもよく使われる言葉ですよね。

 

この言葉から見ると

・親の肩揉みをする

・運動後の体をほぐす

・腰痛の人の腰を揉む

など、すべてマッサージにあたるように見えますよね。

マッサージを行うことができる業種は限られている

あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律  昭和二十二年法律第二百十七号の第1条にはこんなことが書かれています。

医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。

基本的に、マッサージは「あん摩マッサージ指圧師」と「医師」しか行うことができませんということです。

 

実際に、最近たくさんできている民間のマッサージ店もマッサージとは書いていないはずです。

「もみほぐし」とか「手もみ」とか書いています。

 

「あん摩マッサージ指圧師」や「医師」でもなくマッサージを商売にしていたら処罰されますから気を付けないといけません。

理学療法士はマッサージできるのか?

理学療法士には理学療法士及び作業療法士法 昭和四十年法律第百三十七号というものがあります。

その理学療法士及び作業療法士法の第15条2項にはこんなことがかかれています。

理学療法士が、病院若しくは診療所において、又は医師の具体的な指示を受けて、理学療法として行なうマッサージについては、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(昭和二十二年法律第二百十七号)第一条の規定は、適用しない。

そうなんです。

理学療法士はマッサージができるんです。

マッサージをしているのに、わざわざリラクゼーションと言葉を変えて使う必要はありません。

「理学療法士はマッサージという言葉を使ってはいけないから、マッサージをしているけどカルテにはリラクゼーションと書いておこう」なんて考えないでいいんです。

 

しかし、注意が必要です。

理学療法士及び作業療法士法の第2条ではこのようなことが書かれています。

この法律で「理学療法」とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。

「基本動作能力の回復を図るため」です。

あなたのマッサージは基本動作能力を図るために行っていますか?

 

マッサージは効果あるのか?

これは、私たちの業界でも意見はわかれています。

研究をするにしてもマッサージの効果の有無なんて判断基準が難しいですよ、実際。

 

私の意見としてはマッサージの効果はあると思います。

私たち理学療法士はマッサージというよりもリラクゼーションという言葉を使うことがほとんどだと思いますが、内容はだいたい同じです。

 

リラクゼーションをすると一時的に筋筋膜性の疼痛は軽減できますし、リラクゼーション後動作訓練をすると動作のパフォーマンスが良くなります。

 

また、筋の柔軟性を引き出すためにストレッチをすると痛みが出現し、じゅうぶんなストレッチができない。

そんな人に対してその部位にリラクゼーションを施行し、ストレッチをすると、痛みなく筋の柔軟性を引き出すことができる。

みたいな使い方もあります。

 

筋筋膜性の疼痛がある人に対してリラクゼーションだけ行っても、普段の姿勢や動作が改善されて、だんだん疼痛が出現しなくなる。

つまり治ると言う人もいます。

 

私はそこまでは思いませんが効果はあると思います。

 

さいごに

結論としては理学療法士はマッサージできます。

 

しかし、ただ単に「筋肉が硬くなっているからマッサージでほぐす」という発想がはたして理学療法士として適切なのか考える必要はあると思います。

 

また、基本動作能力の回復を図るために行われているマッサージでしょうか。

 

私たち療法士はそれをしっかりと考えてアプローチしなければなりません。

 

 

 

 

 

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