今回は糖尿病についてまとめてみました。
糖尿病性の神経障害や腎症、網膜症がある場合で介護が必要と認定されれば、介護保険の第2号被保険者として40歳から介護保険を利用することができます。
そういうこともあり、糖尿病の利用者さんに訪問看護のリハビリを提供するという機会は結構多いんじゃないかと思います。
糖尿病についての知識と診断方法、リハビリについて復習していただければと思います。
Contents
糖尿病の分類
糖尿病自体は比較的認知されている疾病なので、何となくのイメージはつきやすいかと思います。
自覚症状としては・・・
のどが渇く、尿がたくさんでる、体がだるい、食べても痩せる、空腹感が強い、目がかすむ、手足がしびれる、空腹時に怒りっぽくなるなどいろいろあります。
ここでは糖尿病の種類について説明します。
1型糖尿病
日本の糖尿病患者のうち3%程度を占めます。小児に多く、ウイルス感染と自己免疫反応によって
発症します。簡単に言うと体の防衛機構(免疫反応)によって自分の膵島を殺してしまうということです。膵臓ではインスリンが作られていますので、これがなくなってしまうということです。
2型糖尿病
日本の大多数の糖尿病患者がこの型に入ります。生活習慣病といったイメージがありますが、遺伝が強く影響しています。
遺伝的にインスリン分泌機構が障害されている人の体質がインスリンを大量に必要とする状態(過食、肥満、運動不足、ストレス、妊娠)になるとインスリンが不足するということです。すなわち、親族に糖尿病の人がいる場合は、生活習慣を整えないと糖尿病になる確率が高くなります。
良好な血糖値を保つためインスリン注射が必要な場合もあります。
その他の特定のメカニズム、疾患によるもの
糖尿病の原因として特定の遺伝子異常が固定された糖尿病や、慢性膵など、ほかの疾患が原因で2次的に糖尿病状態となっているものをいいます。
妊娠糖尿病
妊娠中に初めて糖尿病を発見されたり、ブドウ糖負荷試験の妊娠糖尿病診断基準を満たすものを妊娠糖尿病といいます。
糖尿病患者が妊娠した場合と同様に、「過体重児」や「新生児低血糖」など胎児への障害の危険性が増します。
将来糖尿病になりやすい為、出産後も定期的な検査が必要です。
糖尿病の診断について
糖尿病の診断は2回に分けて行います。
まず1回測定した血糖値から「糖尿病型」かどうかを判断します。
①任意の時刻にとった血糖値(随意時血糖値)200mg以上の場合
②早朝空腹時血糖が126mg以上の場合
③ブドウ糖負荷試験で2時間値が200mg以上の場合
ブドウ糖負荷試験とは
空腹時血糖が126mg未満で糖尿病が疑われた時などにブドウ糖負荷試験が行われる。
75gのブドウ糖液を飲み、その後の血糖値の変動をみる。
これにより「糖尿病型」「境界型」「正常型」を判定する。
これらの場合「糖尿病型」と判定します。
別の日に検査して①~③の値が得られれば「糖尿病」と診断します。1回だけでは「糖尿病型」であって糖尿病ではないので注意が必要です。
ちなみに、
血糖検査を繰り返さなくても糖尿病と診断できる場合があります。
①口渇、多飲、多尿、体重減少などの糖尿病の特徴的な症状があって「糖尿病型」の場合
②HbA₁ⅽが6.5%以上の場合
③過去に糖尿病であったことが明確な場合や糖尿病性網膜症がある場合
これに当てはまれば糖尿病です。
糖尿病患者への運動療法
糖尿病患者への運動療法の効果は?
①体力・筋力アップ
②ストレス解消
③血管の老化を防ぐ
④糖質が効率よく消費される
⑤インスリンの節約(インスリンの働きをよくする)
いろいろありますが、インスリン感受性がよくなるのが特徴的ですね。
どんな運動がいい?
運動の種類には有酸素運動とレジスタンス運動の2種類があります。
糖尿病の患者さんには、ダンベルなどを使って筋肉に負荷をかけるレジスタンス運動より、歩行やジョギング、水泳などの全身運動にあたる有酸素運動のほうが適しています。
どのくらいの運動量にすればいい?
歩行なら、1日約1万歩。消費エネルギーに換算するとほぼ160~240kcalの消費が望ましいとされています。
歩行の目安は1回につき15~30分間、1日2回行います。1週間に少なくとも3日以上の頻度での歩行が望ましいとされています。
歩行(運動)は、いつでも、どこでも、ひとりでもできますし、体力や年齢にあわせて歩き方やスピードを変えることができます。これなら、まとまった運動時間がなかなかとれない人でも、歩行をともなう通勤、通学、買い物などで、実践できます。
糖尿病で運動を始めようと思ったらまずは主治医に相談
運動療法は、十分な食事療法を行ったうえで初めて効果を発揮するものです。短期間のうちに運動だけで体重を減らすことは不可能です。
また、合併症のある人や低血糖をよくおこす人などは、場合によっては運動を控えたり、補食が必要になったりします。ですから運動療法は、まず主治医に相談してから始めましょう。
最後に
糖尿病は食事コントロールが必須です。そこに運動を組み合わせることでより効果的なアプローチができます。
遺伝の要素が強い糖尿病ですが、生活習慣を整えることである程度の予防ができます。
まずは糖尿病にならないように予防することが大切ですね。